私のタロット遍歴(10)

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慌ただしい数年が終わってからは、じっくりとタロットの研究に主軸が移りました。占うこと事態に対しての興味が薄れたというわけではなかったのですが、それ以上に「タロット自体」への興味がそれ以上に高まったという感じでした。ある意味、占いとは全く関係がない会社を経営しながら連載を大量にこなし、その合間に依頼された鑑定をこなし、という状態が数年続いた結果、占うことは自信を持ってできてはいたものの、タロット自体についてはあまりに知らないと感覚的に感じ取っていた、ということだったのだと思います。

とはいえ、なかなか資料も手に入りにくく、洋書も簡単には買えない時代でしたから、カード1枚1枚をじっくりと見て、その中から色や図形、その配置などを色々と自分なりに考えていくことがメインにならざるを得ませんでした。それが激変したのは1996年にインターネットに初めて触れ、海外の人たちの発信を読むことができるようになったときでした。もちろん、海外の人だからといってタロットにどれほど詳しいかはわかりません。しかし、夜中に(向こうは昼間だったりしましたが)海外の同好の士と語り合うようになったのは私に多くの今までにはない視点を与えてくれました。やがてAmazonが登場し、日本からも洋書が買えるようになると益々手元の資料が充実してゆき、ハズレを引く確率も大きく減少しました。そして同時に私のタロットコレクションも数がどんどん増えてゆきました。

以降、タロットとはのんびりとテキストを作ったり、頼まれたら講義をする、という感じの付き合いになっています。占い師も仕事としては数年前に引退しました。とはいえ、長くのお付き合いのある企業や毎月新幹線で来る人、あるいは年数回飛行機で来る人など、お断りできない付き合いのある人や占い関係なく(と、言ってはいけないのでしょが)、会うのが楽しみな人の占いだけをこれまたマイペースでお受けしている感じになっています。この数年はコロナの影響でオンラインでの鑑定にそうした人たちとも残念ながらなってしまっています。また、コロナ禍で仕事を失ってしまった方など、色々と大変な事態になってしまっている方々を対象にボランティアで占ったりという活動も始めました。どちらにせよ、今は本当の意味でマイペースでタロットとつきあっています。

この連載も最終回です。また違う話題で今後もおつきあいいただければと思います。長い間おつきあい頂きありがとうございました。

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